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2013年4月29日 (月)

ASDをチアノーゼ疾患という医学知識の無さ

 優華が亡くなった後、清水良美院長は、「入院中に体重が少しでも増えているから、心臓病ではない。」と断言しました。
 このような、間違った知識で、入院中にまともな診察も聴診も怠るならば、いつまた同じ事故が起きてもおかしくありません。

 清水良美院長、副院長には、たとえ、尋問対策だったとしても、新生児の心臓について、真剣に勉強して欲しいと思いました。
そうすれば、心疾患見落としはなくなる、この苦しい裁判の意味があると思ったからです。

 しかし、それはまたもや、、、、、裏切られる結果となりました。
清水良美院長は、被告という立場になって3年経っても、心疾患について勉強せずに、法廷で堂々と間違った知識を披露したのです。

 大学病院ほどの、「最高レベルの産婦人科病院」と宣伝する医師ここまで低いレベル、ここまで心疾患を勉強する努力をしない熱意のなさとは、誰が思うでしょうか
 裁判で明らかになった、清水院長の、恐ろしくなるほどの、医学知識の間違いを、医師意見書に沿って、書き記していきます。


清水良美院長 証言「心房中隔欠損症(ASD)はチアノーゼ疾患」

2011年12月15日,清水良美院長は法廷で
「心房中隔欠損症(ASD)はチアノーゼ疾患」と言いました。

 基本的かつ重大な誤りです。ASDはチアノーゼのない疾患の代表です。
医師ならば当然知っていなければなりません。
 医療関係者の方や、コメディカルの方、患者さんのご家族など、少しばかり勉強した非医療者の方でも、
すぐに「ASDはチアノーゼ疾患ではない!!清水良美医師の証言は間違っている!」と分かりました。
 それを、清水良美院長は主尋問(自分の弁護士から「ASDを説明して下さい」といわれた尋問)で、間違った説明を堂々としたのです。
 
 
 

※ASDとは心房中隔欠損症の略称で,チアノーゼとは,学術的には「毛細血管の還元型ヘモグロビンが5g/dL以上となり,皮膚が紫藍調を呈したものをいう(還元型ヘモグロビンとは酸素を放出した状態のヘモグロビンのこと)」とされています。簡単にいえば,「皮膚の色が青黒く見えること」です。
 チアノーゼは,a.中心性チアノーゼと,b.末梢性チアノーゼの二つに分類されます。a.中枢性チアノーゼの原因には,①肺の異常(呼吸器疾患)②心臓の異常(心疾患)等があり,b.末梢性チアノーゼの原因には,①心臓の異常(心疾患)や②温度変化による血管変化等があります。(ここで大切なのは,心臓の異常がa.中心性チアノーゼとb.末梢性チアノーゼの両方の原因になることです。
 a.中心性チアノーゼの原因になる心疾患は,右左短絡(右→左シャント:右心系の静脈血が肺を通らずに左心系の動脈血に短絡すること)のある先天性心疾患です。b.末梢性チアノーゼの原因になる心臓の異常は,心不全による心拍出量の低下です(文献15頁 チアノーゼの分類)。


 清水良美医師調書の内容は,以上のチアノーゼについての基本の理解がない上,ASDのチアノーゼに関する知識が完全に誤っています。

清水良美医師証言 (※ここには医学的にいくつもの誤りがあります)
「新生児の場合,動静脈,①きれいな血液と汚い血液がまざる場合をチアノーゼ紫色になるということでございます
新生児の場合,一番代表的な疾患は,心臓の上と下に4つ箱がありますけれども,
右心房と左心房の間に穴が開いてる場合,これは心房中隔欠損といいます
これは,収縮期の駆出性雑音で診断はできますけれども,
その場合は,②きれいな血液の中に汚い血液が混ざりますから紫色になるし,
小さい穴であれば負荷をかけたとき,
ミルクを飲ませたときに唇が紫になる,
もしくは,大きい穴であれば通常でも紫になる

そういうときには④酸素飽和度というのをつけまして,飽和度が,酸素が,どのぐらいきれいな血液が流れてるかというのを機械で測定することは可能で,
診断は十分可能でございます。」


 ここには医学的にいくつもの誤りがあります。以下,分説します。
①.「新生児の場合,動静脈,きれいな血液と汚い血液がまざる場合がチアノーゼ,紫色になる」
 これはチアノーゼ一般の説明ではなく,「右左短絡のある先天性心疾患における中心性チアノーゼ」に限定した説明です。
 清水良美医師は末梢性チアノーゼの発症機序が分かっていません。
そう判断するのは

 清水良美院長証言
新生児は,四肢は,末梢血管が細いためにほとんど冷たいのが常態,普通の状態でございます。明らかなチアノーゼ,医者が診てチアノーゼ,病的なチアノーゼというのは,外見的に見る限り,それが出るようであれば,もうそれは,何かしら重篤な疾患があるということは明らかに診断できると思います。」

と誤ったことを述べているからです。

 動物の血管は血管径の絶対値が細いからといって末梢が冷たいといった単純なものではありません。
自律神経系の反応によって体の大きさに見合った血管の拡張と収縮により末梢の温度が変化するのです。
 適切な温度と湿度下の新生児は,自律神経の応答により,末梢血管の拡張(放熱)による末梢体温上昇と末梢血管の収縮(放熱の中止)による末梢体温低下を繰り返しながら体温を調節します。
 清水良美医師は,
末梢性チアノーゼが四肢の温度の寒冷による末梢血管収縮によって起こることを知らないからこのような証言をしたものと推測されます。


 仮に,清水良美医師が本当に新生児を診察して,
四肢が冷たいのが常態,普通の状態」であると認識しているなら、
清水産婦人科クリニックの施設新生児室の温度管理,湿度管理に問題があることになります。


②.これ(心房中隔欠損症)は,収縮期の駆出性雑音で診断はできますけれども,その場合は,きれいな血液の中に汚い血液が混ざりますから紫色になる
 これは全く逆です。
「汚い血液にきれいな血液が混ざる」からASDでは収縮期駆出性雑音が聞こえるのです
(文献・144頁・ASDの血行動態 病態生理 図 血行動態 ①左→右シャント)。
ASDは確かに収縮期の駆出性雑音で診断されます。
しかし,収縮期駆出性雑音が聞こえる機序は,左→右シャントによるものです。
左心系(左心房)の動脈血が右心系(右心房)の静脈血に混ざり,
右心系の血流量(肺血流量)が増加することによって,
相対的肺動脈狭窄音が生じます。
もともとの肺動脈弁の弁輪径を通過する右心系の血流量が左右短絡で増加するために雑音が生じるのです。

 この清水良美医師証言は,
同医師が心雑音が聴取される理由を病理学的機序に基づいて理解せずに,
「心房中隔欠損症=収縮期駆出性雑音」というように一対一対応の棒暗記
をしていただけ,ということを示しています。

③.「小さい穴であれば負荷をかけたとき,ミルクを飲ませたときに唇が紫になる,もしくは,大きい穴であれば通常でも紫になる」

 この証言もなんとなくイメージを述べただけで,医学的に誤りです。
 心房中隔欠損症のカテゴリーには,4つの分類がありますが,
通常単に「心房中隔欠損症(ASD)」と言えば「二次口欠損型」を指し,この型が最も一般的です。
「二次口欠損型」の孔の大きさは発生機序から大差ありません(文献・497頁 図8-26 心房中隔の形成過程)。
「乳児期早期の例,短絡量の少ない例,欠損孔の例(6mm以下)」(文献・498頁 右c)自然閉鎖)等の小さい孔は自然閉鎖することすらあるので,負荷をかけたり,ミルクを飲ませてもチアノーゼにはなりません。
単純に孔が小さいとか大きいとかいう以前に,右→左短絡にならないのは,コンプライアンス(伸展性)の左右差によるものです。
詳細に説明すれば,「欠損口を通しての短絡量および短絡方向は欠損口面積,左右心房間圧差および右室―左室コンプライアンスの差によって決定され」
その結果「右室壁が左室壁よりも薄くなると,右室の血流充満抵抗が左室よりも低くなり,左→右短絡が生じてくる」のです(文献・498頁 左3)血行動態)。
このような機序で,ASDは,左右短絡の非チアノーゼ疾患になります。
 確かに,「新生児や乳幼児早期は,右室壁が厚いので,右室コンプライアンスが低く,心房位での左―右短絡が出にくい.
逆に,啼泣時は,右室圧が上昇し,右―左短絡を生じチアノーゼを認めることもある.」のですが,
これは特殊な場合の一時的なことであり,
清水良美医師のいうように「大きい穴であれば通常でも紫になる」ことはありません。

 従って,
④「酸素飽和度というのをつけまして,飽和度が,酸素が,どのぐらいきれいな血液が流れてるかというのを機械で測定すること」によって心房中隔欠損症を診断することはできません。


(3)心房中隔欠損症と医療者
 文献「病気がみえる vol.2 循環器疾患」の監修者は
中澤誠先生 東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所 循環器小児外科教授(当時)をはじめとした日本の循環器学の中枢を担う権威で,内容は確かなものです。
しかし,このベストセラー書籍の対象は,
あくまで医学生や看護,薬学,救急救命,リハビリ,栄養にかかわるコメディカルであり,
初学者の教科書です。

 その初歩的教科書の
先天性心疾患総論」(140頁)の次には
小児のチアノーゼ」(141頁)が記載され
次頁が「心房中隔欠損症(ASD)143頁)です。

先天性心疾患の最初の3頁,
イロハにあたる「チアノーゼ」「心房中隔欠損症」は
医療に従事するものにとって基本中の基本です。


清水良美院長の医学知識を「これが産婦人科医の水準」と言うのは、
真剣に診療していらっしゃる医師に失礼です。


 

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コメント

 他の掲示板でもこの医師がASDをチアノーゼ心疾患であると言っていると書かれているのを読んで、驚きましたが、本当のことのようで驚きました。
 このような、医師には、新生児医療を任せられませんね。
 改竄も事実のようなので、大いに反省してもらいたいです。

 被害者の御両親だと思いますが、ブログの作成はたいへん勇気の要ることです。
頑張ってください。

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